ESCRS in Lisbon | 明石の田村眼科|日帰り白内障・硝子体・涙道再建・緑内障・眼瞼下垂手術

医療法人瞳潤会 田村眼科

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ESCRS in Lisbon

ESCRSは欧州で年一回開催される白内障・屈折矯正手術の分野では世界最大級の眼科学会です。3回目の参加となる今年はポルトガルのリスボンで開催されました。10月5日の診察終了後、深夜に日本(関空)を発ち、6日リスボン着、10月7日、8日に学会に参加し、9日の早朝にリスボンを発ち、10日の早朝に関空に到着、関空から2時間かけて陸路を移動し午前10時半には明石のクリニックに着き、そのまま診察開始するという、最大限、飛行機での移動時間を睡眠時間に充て、現地での活動時間を捻出した強行日程で、10月9日の振替休日を利用した3泊5日の弾丸ツアー(学会参加)で、体力も消耗しましたが、得られるものが多く大変有意義な時間を過ごす事ができましたのでレポートします。

 

 
先ずは学会で得られた内容ですが、ここでは特に印象に残ったトピックスや演題を3つほど挙げておきたいと思います。
新しい光学特性をもつ多焦点眼内レンズが良い結果を出してきています。
明視域の拡張と高いコントラスト感度の維持を両立させる眼内レンズで一般的にはEDOF(Extended Depth of Focus)レンズという名称で呼ばれています。
グレア、ハロはかなり軽減されるようですが、近方視に今後の課題があるようです。
今後、日本でも多いに注目される眼内レンズだと思います。
動画を用いた発表では超音波乳化吸引術で使用するチップの管空のサークル形状をその中央部に支柱を加えることにより、より効果的に水晶体核処理を可能にしたチップを開発したグループが高い評価を得ておりました。
キャビテーションという術中の視認性低下を起こす現象も同時に回避が出来るようで、素晴らしいアイデアだと思いました。
また、眼内レンズのエッジの形状により白内障術後の前嚢の混濁と拘縮を防いでいる事象を前房水循環動態との関連で証明した発表など、明日からの日常診療にそのまま反映する事ができる実臨床に即した発表の内容がとても多く、短い期間ではありましたがとても勉強になりまた多くの刺激を受けました。
 
 
ポルトガルは大航海時代の発端となった国で、公式には日本とは1543年種子島にポルトガル人が漂着し鉄砲を伝来して以来の長いおつきあいのある国で、当時、生糸や火薬、カステラやタバコ、香辛料などの様々な品や文化、宗教を日本に伝えたと中学の授業で習った記憶があります。リスボンの街を歩いていますと、まるで栄華を誇った大航海時代の様子そのまま残した町並みと表現したい所ですが、そのような場所はアルファマ地区など一部島状に残されているというのが現状で、実は200年に1度位の頻度で起こる大きな地震により街全体がその度に壊滅的なダメージを受けてきたようです。それでも震災を免れた地区の恐らく数百年以上も踏まれ続けた丸みを帯びた艶やかな石畳を歩き丘からテージョ川の雄大で穏やかな流れを眺めていますと、フェ二キア人、ギリシャ人やローマ人、ムーア人、十字軍の兵士達、ヘンリケ航海王子などが闊歩していた時代が交錯して目に浮かぶようです。
 
今回は学会参加が旅の目的でしたので、残念ながら多くの旅行者が訪れる観光スポットにはほとんど行けずじまいでしたが、この都市を必ず再訪してやろうという思いを胸に、後ろ髪を引かれつつ帰路についたのでしたが、この街の歴史が醸す雰囲気は十二分に感じる事が出来、寝るのが惜しいくらい充実した5日間を過ごす事が出来ました。
 
田村 記