白内障の症状が分かるセルフチェック項目とその見分け方
白内障とは、何らかの原因で目の中にある水晶体が濁ってしまう病気です。
水晶体はカメラに例えるとレンズの役割を持ち、主にピントを調整する働きをしていますが、その水晶体が濁ってしまうことで、さまざまな症状が現れます。
しかし実際、白内障には初期症状がほとんどなく、病気が進行するまで気付かない人がほとんどです。
そこで本記事では、白内障をなるべく早期に発見するためのセルフチェック項目と見分け方について解説します。
1CATARACT
目次
白内障のセルフチェック項目
以下のような症状がいくつも見られる方は、白内障の可能性があります。
目に関して気になることがある方は、まず自身でチェックしてみましょう。
- 50歳以上
- 目が悪くなった気がする
- 視界がかすんで見えにくい
- 晴れた日は外がまぶしい
- 天気によって見え方が変わる
- 以前と比べて階段の上り下りが怖くなった
- メガネを作ったがすぐに合わなくなった
- 見るものが重なって見えることがある
- 特に夜や暗い場所では見えにくい
- 右目と左目で見え方が違う
- 最近老眼が治ってきた
- 自動車免許の更新に引っかかった
- 新聞や本を読むのがしんどい
- 細かい作業が苦手になった
- 糖尿病がある
- ステロイド剤を長い期間にわたって使用している
白内障の見分け方
数ある白内障のセルフチェック項目の中から、特に分かりやすい、特徴が出やすいポイントについて紹介します。
白内障は緊急性のある病気でないため、もし項目に当てはまったとしても、焦らず落ち着いて眼科を受診しましょう。
年齢が50歳以上である
いくつか要因はありますが、白内障の最も大きな原因は加齢ということが分かっています。
50代でも50%以上、60代で70%、70代で85%、80代では100%に近い割合で白内障の症状があるとされており、決して珍しい病気ではありません。
急に目が見えにくくなった
白内障がある方のほとんどが、ぼやけて見える、目がかすむ、視野にモヤがかかった感じがする、などの症状を訴えて眼科を受診します。
また、水晶体の濁った部分には光が届きにくくなるため、単純に視力が悪くなったと感じる方もいるでしょう。
年齢的に自身で老眼と判断してしまう方も多いですが、老眼鏡で矯正できない場合は白内障を疑いましょう。
天気がいい日や明るいところでまぶしく感じる
白内障の進行度合いや濁りのある場所によっても差が出ますが、水晶体に濁りが生じると外からの光がまっすぐ届かなくなります。
すると光が乱反射や散乱を起こし、明るい場所や逆光の場面で異様にまぶしく感じてしまうのです。
晴れの日と天気が悪い日では目の調子が違う気がする
白内障でよく耳にするのが「晴れた日と曇りの日の見え方が違う」「夜は特に見えにくい」という症状です。
水晶体が受ける光の量によって見え方が変わり、光の少ない夜間はさらに見えにくくなる傾向があります。
距離感が掴めず階段の上り下りが怖くなったりよく転ぶ
水晶体はその厚みを変えることで対象物までの距離を測っています。
しかし、白内障になるとその調整が難しくなり、距離感が掴みにくくなるため、階段の上り下りが難しくなったり、頻繁に転んだりするようになります。
新しく作ったメガネが2〜3年で合わなくなった
白内障が進むと水晶体の濁りも大きくなり、視力に強い影響が出ます。
一旦眼鏡で視力矯正をしてもすぐに合わなくなってしまう場合は、白内障による視力低下の可能性があります。
片目で見ると対象物が何重にも重なって見える
水晶体の濁り方は人それぞれで、均一ではありません。
そのため、濁っている部分とそうでない部分があると、片目ずつ見た時に物が二重や三重に重なって見えることがあります。
一方、両目で見ても同様に見える場合は他の病気が隠れている可能性もあるので、早めに眼科で相談しましょう。
老眼鏡をかけない方が見やすくなった
白内障が進行すると、目に入る光の屈折率が変化し、一時的に近視のような状態になります。
そのため反対に老眼が治ったと捉える人がいますが、これも白内障の主な症状の1つです。
自動車免許の更新で指摘される
視力の変化に気付かず自動車免許の更新へ行き、そこで指摘されて受診した結果、白内障だったというケースは多々あります。
細かい字を読むと目が非常に疲れる
水晶体にはピントを調節する役割がありますが、白く濁ってくることでその機能をうまく果たせなくなります。
そんな中でも、筋肉はうまくピントを調整しようと働くため、通常よりも目の疲れを感じやすくなります。
持病に糖尿病がある
加齢だけでなく、糖尿病が白内障の原因となることがあります。
糖尿病は通常よりも血糖値が高くなる病気ですが、血糖値が高い状態が続くとソルビトールと呼ばれる糖が水晶体の中に溜まっていきます。
そのソルビトールが水晶体に影響し、白内障を引き起こすのです。
ステロイド剤を長年常用している
さまざまな病気の薬として使われているステロイド剤ですが、長期使用した場合の副作用の1つに白内障があります。
その関係性は未だ解明されておらず、全ての人に白内障が起こるわけでもありません。
ステロイド剤が原因で起こる白内障の特徴としては、早期から見えにくさを感じる、自覚してから視力が低下するのが早い、などが挙げられます。
ただし感じ方は人それぞれで、「早期」というのがいつなのかも判別しにくいと思いますので、気になる症状がある方はなるべく早く眼科を受診しましょう。
白内障だと分かった場合も放置は危険
実際にセルフチェックをして白内障だと分かった場合は、念のために眼科を受診することをお勧めします。
ある程度症状が進行しても視力を取り戻すことが可能な病気とは言え、年齢が進んだり、白内障がかなり進行してしまった後では、治療自体の難易度も高まりリスクを伴うことになります。
適切な時期に、計画的に治療を行うことがとても大切です。
詳しくはこちらの「白内障を放置するリスクと失明との相関性」の記事をご覧ください。
気になる症状があれば迷わず眼科を受診しよう
本記事では白内障のセルフチェックの方法を紹介しましたが、いくつか症状が当てはまったとしても、確実な診断ではありません。
もしセルフチェックで白内障が疑われる場合は、早めに眼科を受診し、適切な検診や処置を受けるようにしましょう。
当院では、高度な専門性を有する医療スタッフによる医療の提供を通じて、白内障を主体としつつ数多くの目の病気への治療に対応しております。
特に白内障の日帰り手術に注力しており、多焦点眼内レンズも豊富に取り扱っております。その他硝子体、眼瞼下垂、涙道、緑内障等の治療についても日帰り手術が可能です。
また、明石市のみならず近隣地域(神戸市西区、神戸市垂水区、淡路市等)にお住まいの患者さんからも治療のお問い合わせをいただいております。
目の病気にお悩みの方や、治療をご検討中の方は兵庫県明石市の田村眼科までご相談ください。