中心が見えない際の原因と想定される病気の可能性と対処法 | 明石の田村眼科|日帰り白内障・硝子体・涙道再建・緑内障・眼瞼下垂手術

医療法人瞳潤会 田村眼科
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中心が見えない際の原因と想定される病気の可能性と対処法

スマホやパソコンを使ったり、テレビを長時間見たりと、現代の生活は目にとって過酷な環境です。

酷使した目は、気付かぬうちに何らかの病を抱え、症状が進行しているケースもあります。

 

そこで本記事では、目の中心が見えない際に考えられる病気や対処法について解説します。

最近目が見えづらいなと感じている方や、違和感のある方はぜひ参考にしてください。

中心が見えない際の症状

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目の中で光を集める神経「網膜」の中心部を「黄斑」と呼びます。

黄斑部は物を見るときにピントを合わせる場所であり、視力を直接左右する重要な部位です。

しかし、黄斑部の厚みは約0.25mmと周りの網膜より薄く、穴が開いたり出血したりと、トラブルが発生しやすいです。

黄斑部に異常が起きると、視力の低下や歪み、最悪の場合は失明に至るリスクもあります。

原因と疑われる病気

中心が見えないという症状がある場合、どのような病気が疑われるのでしょうか。

ここでは、それぞれの病気の特徴を見ていきましょう。

黄斑円孔

網膜の中心部である黄斑の一部に、穴が開く疾患です。

目の中にある、硝子体というゼリー状の物質は、加齢とともに水となって網膜から剥がれ落ちます。

剥がれる際に、薄皮のように残った硝子体が網膜を引っ張ることが、円孔ができる主な原因です。

穴が開いた部分は見えなくなったり、中心がすぼんで見えたりという症状があらわれます。

放置すると円孔から網膜の裏側に水が入って「黄斑円孔網膜剥離」と呼ばれる疾患に発展する等、さらなる視力の悪化を招く可能性があります。

 

黄斑円孔は点眼や内服による治療効果がなく、手術による治療が必要です。

手術では内境界膜を剥がし、眼中にガスや空気、シリコンオイル等を注入して、円孔周りの網膜が黄斑部の位置に押し留まる事を促します。

術後しばらくの間はうつ伏せの安静状態を保つ必要があり、視力の戻りは緩徐です。

黄斑円孔の症状や治療方法については、こちらの「黄斑円孔の特徴的な症状や疑われる原因と治療法」のページをご覧ください。

黄斑上膜(黄斑前膜)

黄斑部の網膜表面に、繊維状の膜が張る疾患です。

黄斑円孔と同じく、硝子体の残った薄皮が表面にくっついたり、縮んで網膜にシワを作ったりします。

他にも慢性的な炎症や網膜裂孔・ぶどう膜炎が原因の場合や、原因不明で突発的に発症する場合もあります。

膜の張りやシワにより視界の中心部が霞んだり、歪んだりする症状が考えられる一方、進行が緩やかなため無症状のケースも多いです。

 

緊急性はそれほど高くありませんが、症状が重い場合や、罹患期間が長く術後の視力予後に影響すると考えられる場合等では、手術による治療を検討します。

手術では黄斑上の膜を剥がします。

手術が成功しても視界の歪みが完全になくなったり、視力が回復するとは限りません。将来を見越した、視機能の維持を目的として行われます。

網膜前膜(黄斑上膜)の具体的な内容については、こちらの「網膜前膜の症状・原因と手術の方法」のページをご覧ください。

加齢黄斑変性

加齢に伴い、網膜中心部の黄斑に障害が発生する疾患です。

欧米において最も多い失明原因の一つで、日本でも発症例が増えています。

 

加齢黄斑変性には「萎縮(ウエット)型」と「滲出(ドライ)型」があります。

萎縮型は、網膜と脈絡膜の間に老廃物が溜まり、網膜色素上皮が破けたり縮んだりして視界に異常をきたす状態です。

進行が遅く、欧米人に多いと考えられています。

滲出型は、栄養を届けるために脈絡膜から新生血管が発生し、網膜内に侵入する状態です。

脆い新生血管の出血や浮腫により、黄斑に機能障害を発生します。

早期から症状が出やすく、日本人に多いです。

 

加齢黄斑変性では、視界の霞みや歪み・中心暗点・色覚異常や視力低下などの症状が見られます。

原因は、加齢や紫外線・喫煙・肥満・高血圧・緑黄色野菜の摂取不足などです。

 

滲出型の加齢黄斑変性に対しては、薬剤を直接眼球に注入する薬物療法から、レーザー治療、両者を組み合わせた光線力学的療法などの治療法があります。

加齢黄斑変性の症状や治療方法については、こちらの「加齢黄斑変性症の症状と治療方法・予防方法」のページをご覧ください。

糖尿病網膜症

糖尿病の三大合併症の一つです。

血糖値が上昇し、網膜の血管が詰まったり破れたりすることで出血し、視界狭窄や視力低下を招きます。

初期の単純網膜症では、微量の出血のみで自覚症状がほとんどありません。

前増殖型網膜症では、網膜の血管が塞ぎ出し始め、新生血管を作り始める直前段階です。

増殖型網膜症で新生血管ができると、硝子体出血を起こしたり、網膜を傷つけたりして失明にも繋がる重篤な状態です。

 

初期段階では血糖や血圧のコントロールによって治療し、症状が重い場合はレーザー治療や硝子体手術を行います。

自覚症状が出た頃には進行している事も多く、糖尿病のある方は定期的な眼科受診が肝要です。

中心性漿液性脈絡網膜症

網膜下で血管が集まる脈絡膜から血液成分が漏れ出し、網膜の一部に水分が溜まる疾患です。

溜まった水により網膜が盛り上がるため、物が歪んで見えたり実物より小さく見えたりします。

過労や睡眠不足によるストレスが主な原因と考えられ、30~40代男性に発症しやすいです。

 

循環改善薬や漢方薬による内服治療以外に、水分が漏れた部分の網膜に対しレーザー光凝固治療を行うケースもあります。

対処法・治療法

ここでは、目の中心が見えないときの対処法をチェックしましょう。

乾燥・紫外線を避ける

湿度の低い部屋で過ごしたり、長時間作業に集中していたりすると、まばたきの回数が減り、目の水分が奪われます。定期的に目を休ませたり目薬をさしたりして、目の潤いには気をつけましょう。

また、紫外線は目の網膜にダメージを与えます。

サングラスや日傘により紫外線対策を万全にしましょう。

栄養素を摂取する

加齢黄斑変性などでは、目の酸化が発症・進行の原因となっています。

酸化させやすい喫煙は控え、網膜の細胞や黄斑部を守るビタミンCやビタミンE、亜鉛、ルテインなどを摂取しましょう。

バランスの取れた食生活を心がけたり、サプリメントを飲んだりするのがおすすめです。

眼科を早期受診する

目に関わる疾患の種類は多く、日常生活に影響をきたすものも存在します。

特に、初期段階では無症状であったり、片眼で発症する病気は気づきづらかったりします。

 

そのため、普段から目の状態をセルフチェックし、少しでも違和感を抱いた場合は、早めに眼科を受診しましょう。

こまめな目のケアを忘れずに

このページでは目の中心が見えない際に疑われる病気や対処法について解説しました。

目の病気は無症状のものから、失明に至る深刻なものまで様々です。

大事に至らないためにも、日頃から目のケアを忘れずに、何かあったら医療機関にすぐ相談しましょう。

 

当院では、高度な専門性を有する医療スタッフによる医療の提供を通じて、白内障を主体としつつ数多くの目の病気への治療に対応しております。

特に白内障の日帰り手術に注力しており、多焦点眼内レンズも豊富に取り扱っております。その他硝子体、眼瞼下垂、涙道、緑内障等の治療についても日帰り手術が可能です。

また、明石市のみならず近隣地域(神戸市西区、神戸市垂水区、淡路市等)にお住まいの患者さんからも多くの治療のお問い合わせをいただいております。

目の病気にお悩みの方や、治療をご検討中の方はぜひ一度兵庫県明石市の田村眼科までご来院ください。