白内障の原因と予防法
50歳を過ぎると目に何らかのトラブルを感じる人が増えますが、その原因は白内障かもしれません。
白内障は年齢とともにかかりやすくなり、病気が進むと見えにくさや光のまぶしさ、物が二重に見えるなどさまざまな自覚症状が出てきます。
では、なぜほとんどの人が白内障にかかるのでしょうか。
本記事では、歳を重ねると白内障になりやすくなる理由や、それ以外で白内障が認められる要因、予防する方法の有無について解説します。
現在目の症状が気になる方はもちろん、そうでない方も白内障への理解を深めることが大事です。
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目次
白内障の主な原因
加齢が白内障の大きな原因ですが、それだけでなく他にもたくさんあります。
それぞれの原因について、1つずつ確認しましょう。
加齢
白内障は、目の中にある水晶体が濁ってしまう疾患ですが、その原因の多くが加齢です。
軽度のものを含めると50代では半分以上、60代では70%以上、80代ともなると90%以上の人が白内障と診断を受けると言われるほど、高齢化が進む日本では珍しくない眼疾患です。
糖尿病
白内障は、糖尿病の合併症の1つです。
糖尿病は、一部を除き、通常よりも高血糖が続く生活習慣病の1つですが、血糖値が高い状態が続くと糖の一種が水晶体に蓄積され、白内障を併発します。
糖尿病の人は、そうでない人に比べて約5倍もハイリスクとされ、また男性よりも女性の方が発症しやすいことが分かっています。
ステロイド剤
さまざまなステロイド剤がありますが、中でも全身的に効果が得られる飲み薬や喘息の治療などで使われる吸入薬は、長期服用することで白内障になる可能性が高まります。
加齢による白内障と比べると病状が進むのが非常に早く、40代で手術が必要なレベルまで視力が落ちるケースも少なくありません。
緑内障を併発する可能性も考えて、ステロイド剤を長期服用する場合は、眼科とも連携を取りながら治療を進めましょう。
紫外線
紫外線と聞くと、皮膚がんや日焼けによるシミやシワなど肌へのダメージを思い浮かべるのが一般的でしょう。
しかし肌と同じように、目も紫外線の影響を強く受けています。
日焼けした後のように目で見て分かるわけではありませんが、実は角膜に紫外線を浴びることで炎症が起こり、人によっては強い痛みが出たり、充血したりすることもあります。
そうしたことを繰り返しているうちに紫外線が蓄積され、徐々に水晶体に濁りが出てくるといわれています。
放射線
放射線が目に与える影響は非常に大きく、短期間に高線量を浴びると早くて2年以内に白内障になるとも言われています。
原爆による被爆者やチェルノブイリ原発事故の作業員の中に白内障を発症した人が非常に多かったというデータからも、その影響は明らかです。
少ない量であっても日常的に浴びた放射線が消えることはないため、特にレントゲン技師や宇宙飛行士などは発症リスクが高い職業です。
遺伝
白内障には、生まれた時点で白内障にかかっている「先天性白内障」があります。
両親のどちらか、あるいは両方が先天性白内障の遺伝子を持っていた場合は子どもに伝わる可能性があり、生後早いうちから水晶体に濁っている部分がみられることがあります。
積極的な加療が必要な場合は、適切な医療機関を紹介させて頂きます。
喫煙
煙草と白内障の因果関係は明らかではありませんが、1日に20本以上煙草を吸う人は非喫煙者に比べると2~3倍、白内障の発生率が高いというデータがあります。
煙草に含まれる窒素酸化物が、水晶体に影響を及ぼすと考えられています。
白内障の予防方法
白内障は年齢とともに発症する人が増える病気のため、基本的にはほとんどの人が避けて通ることができません。
しかし、普段から以下のポイントに気を付けて生活することで、発症する年齢を少しでも遅らせる効果が期待できます。
紫外線を避ける
普段から、可能な限り紫外線を目に直接受けないようにすることが大切です。
サングラスが最も手軽ですが、屋外で長時間を過ごす場合などは隙間からの紫外線も多くそれだけでは不十分です。
つばの広い帽子や日傘などを併用して、よりしっかりと紫外線対策を行いましょう。
普段からコンタクトレンズを装用している方は、UVカット効果がついているものを選ぶのもおすすめです。
生活習慣に気をつかう
糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、白内障だけでなくさまざまな病気のもととなるため、それを避けるためにも、規則正しい生活を心がけることが大切です。
中でも食事は重要で、バランスが崩れると血糖値の変化が大きくなり、身体に負担がかかります。
白内障のリスクを減らすため、普段から食生活に気をつかい、適度な運動や禁煙をしましょう。
白内障についてさらに深堀り
このページではあくまで「白内障の原因と予防法」というに内容に焦点を当てて解説をしました。
ただ、中には「実際に白内障になるとどのような見え方になるのか?」「手術後に合併症が起こる可能性があると聞いたのだが、どのような合併症が生じる可能性があるのか?」などの、より具体的な白内障の特徴や術後の情報について知りたいという方もいらっしゃるかと思います。
そんな方は、是非こちらの「白内障とは」のページをご覧ください。
日頃のケアを心掛けることで白内障のリスクを減らすことができる
50歳以上で半数以上、80代では90%以上の方がかかると言われている白内障ですが、普段から気を付けておくことで発症を遅らせることが可能です。
「兆候が全くない」という方も、原因と予防方法をしっかりと理解して、日頃からのケアを心掛けておくと安心です。
当院では、高度な専門性を有する医療スタッフによる医療の提供を通じて、白内障を主体としつつ数多くの目の病気への治療に対応しております。
特に白内障の日帰り手術に注力しており、多焦点眼内レンズも豊富に取り扱っております。その他硝子体、眼瞼下垂、涙道、緑内障等の治療についても日帰り手術が可能です。
また、明石市のみならず近隣地域(神戸市西区、神戸市垂水区、淡路市等)にお住まいの患者さんからも多くの治療のお問い合わせをいただいております。
目の病気にお悩みの方や、治療をご検討中の方はぜひ一度兵庫県明石市の田村眼科までご来院ください。