目が動く際に疑われる原因疾患と治療法 | 明石の田村眼科|日帰り白内障・硝子体・涙道再建・緑内障・眼瞼下垂手術

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目が動く際に疑われる原因疾患と治療法

無意識に目が動く眼振の症状や原因、治療法を解説します。
「瞬間的に目が高速で左右に動く」「物を見ていると眼球が勝手に動く」と、自分の意思とは無関係に目が動くと「病気なのでは?」と不安になることでしょう。
突発的に目が動く症状は「眼振」と呼ばれています。 眼振とは自分でコントロールできない目のけいれん・揺れなどのことです。
生理反応である「視運動眼振」は、誰にでも起こることがあり問題ありません。
その他病的なものについては斜視・弱視で起こることもある症状ですが、脳や耳に病気が潜んでいる際に現れることもあります。
今回の記事では、眼球が無意識に動くとは具体的にどのような症状なのか、原因や治療法とともに解説します。
眼振が起こる原因疾患や具体的な治療法もご紹介しますので、症状が見られる方はぜひ参考にしてください。

 

目が動く際の症状

眼球の痙攣・揺れなどが症状として見られます。
動き方には個人差があり、規則的にピクピクと動く、眼球が往復する、眼球が回転するように動くなどさまざまです。
無意識に目が動く症状は医学的に「眼振」と呼ばれています。
眼球が無意識に動くのは病気であることも考えられますが、人間の正常な生理的反応として現れることもあります。
病気が原因となっている場合は視界が揺れる、めまいが併発するなど、目以外の部分に症状が現れがちです。
生理反応との区別が重要となりますが、眼振がおさまらなかったり頻発するなど、異常を感じるようであれば早期に眼科を受診しましょう。

目が突発的に動く原因

意思とは関係なく目が突発的に動くのは、斜視・弱視、その他全身面での疾患などが原因です。
斜視・弱視以外の眼疾患により起こることはなく、目の機能に異常がなければ脳や耳の疾患による場合がほとんどです。
またアルコール中毒であったり、抗けいれん剤を服用している場合にも目が動く症状が見られます。
このように、目が突発的に動く眼振には、大きな疾患が潜んでいる可能性もあります。

目が動く際に想定される病気

目が動く症状が見られた際に、どのような原因疾患が疑われるのでしょうか。
眼振はさまざまな病気の症状として現れますが、代表的な病気について見ていきましょう。

斜視・弱視

斜視や弱視のために眼振の症状が現れるケースです。
特に片目を隠すと目が動く「潜伏眼振」は斜視や弱視の方によく見られます。
視力が著しく低い場合は眼振が起こりやすくなるため、視力や目の機能を改善するために視力矯正・訓練・手術を行うのが基本の治療法です。
潜伏眼振では斜視や弱視により両眼視機能が阻害されることで目が動く症状が現れるため、機能回復に伴い眼振が改善される可能性もあります。

めまい

めまいの症状とともに眼振が起こることがあります。
ただし眼振が現れるのは三半規管が原因のめまい、もしくは脳に原因がある場合のみです。
貧血性のめまいや高血圧・低血圧でのめまいなどでは眼振は見られず、めまいの原因を判断するための大切な症状と言えるでしょう。
脳に原因があるめまいの場合は生命の危険も考えられます。
麻痺や頭痛などの症状も同時に現れた場合は一刻も早く脳神経外科で受診してください。

脳梗塞

突発的に目が動く症状が現れた場合、疑われる病気のひとつが脳梗塞です。
脳梗塞では血管障害が生じた箇所により症状が変わりますが、小脳付近に梗塞が起きた際の症状として眼振が見られることがあります。
後下小脳動脈付近の梗塞ではめまいと眼振以外の症状が見られないこともあるので、「ただの疲れ」と済ませてしまわず、至急脳神経外科等で精査することが重要です。

脊髄小脳変性症

脊髄小脳変性症にはさまざまな症状がありますが、眼振はよく見られる症状のひとつです。
特徴的なのは、注視により目が動く方向が変わる「注視方向性眼振」が頻繁することです。
脊髄小脳変性症は小脳が司る運動性が失われる遺伝性の高い病気です。
しかし眼球運動失行や網膜黄斑変性を合併することがあるなど、目にも影響を及ぼします。
突発的に目が動く症状とともに、ふらつきや運動障害が見られたら本疾患の可能性も含め精査しましょう。

目が動く際の対処法・治療法

斜視・眼振を完全に改善させることは困難です。
メガネで視力矯正をしたり、薬物を用いて症状を緩和させる方法が一般的です。
ただし眼振とともに斜視が強く現れている場合は、手術により斜視を治療する選択肢が取られることもあります。
目の問題ではなくその他の疾患が原因で眼振が生じる場合は、原因疾患の治療が最優先です。
原因疾患の改善とともに、症状として現れていた眼振が治ることもあるでしょう。

目が動く眼振の症状が見られたら検診を

目が動く症状には疾患が潜んでいることもあるので、できる限り早めに眼科や脳神経外科などで検診を受けましょう。